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[コメント] クリスマス・キャロル(1970/米)

サンタは私たち。でも、主役は子供であり、本当のサンタはプレゼントを渡した後の“子供の笑顔”の中にいる。一日サンタの私たちもプレゼントを貰っていることを忘れがち。この映画で気づいたアナタは遅くない。地獄を見れば人は何度も生まれ変わることが出来るのだから。
ジャイアント白田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







彼の彼自身の変身願望、良心の呵責が悪夢を見せたのだろう。ちょっと内気で素直になれない自分の真実の姿を、現実で、のびのびと表現できた時の彼の表情は、本当に生まれ変わりたい愛され愛したいという「人間の本能」を体現していた。

過去、現在、未来と自分を振り返る旅の終着は、万人に当てはまる事柄だらけ。そこに「自分ではない」と否定できず、全てを認め生まれ変わることを地獄で願う気持ちというのは、まさに我々の心境を吐露している。

守銭奴を望む一部の人だけに恩恵がまわっていく構造に、不平不満を言わずにクリスマスを素直に喜び、そして楽しみにしている子供たち。何も知らないままに死んで逝こうとしていた子供を目の前にして、そして自分の死で、何が目に映っていたのだろうか?とるべき道を見つけた時の彼の表情こそ全て。

言い訳だけが巧くなり、「忙しい」「仕事で疲れた」という事を武器に子供達と自分の間に掘りと塀を作り生きている人というのは、近親者や仲間の誰かの死に初めて何が一番大切かを気づく場合がある。現実でそれが起こらないウチに、この作品を見て自分も奮起し、ワンランク高いプレゼント、つまりクリスマスに限らず“笑顔”という毎日与えることが出来るプレゼントを子供達に渡して欲しいと願う。もちろん自分にも。

[もっとも言いたいこと]

ミサイルよりも必要なプレゼントが“ここにも”ある。語らずとも伝わる感動が雪に舞う男に託されているのを見逃すな。

2002/12/25

(評価:★5)

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