[コメント] 人生は、奇跡の詩(2005/伊)
映画を見終った人むけのレビューです。
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プロローグの幻想的なシーンを置き去りにしたような、前半のドタバタっぷりには嫌気が差す。あの傍若無人なキャラはどうにも辛抱たまらん。途中で何度も観るのをやめようかとすら思ってしまう程の煩さ。それでも随所に挿入されている印象的なシーンでなんとか心を繋ぎとめておけたという感じ。
それは舞台がバグダッドに移ってからも変わらず、バカみたいに地雷の埋まった場所にドカドカ入って行ったり、銃撃戦の最中ノコノコ外に出て行ったり、周りが全く目に入っていないその様子にイライラしました。戦場という場所であそこまで周りを置き去りにした主人公目線はどうなのかと、正直思いました。
でもそれがやっぱりラストに効いてくる。あれだけ一人で大騒ぎした挙句なのに、あのラストシーンの奥ゆかしさといったら!今までの饒舌が嘘のような無言の微笑み。車を停めた場所が分からなくて何度も往復するその姿すら愛らしく思える始末。要は本当に本当に奥さんの事が大好きなんだろうと。それだけなんだよね、結局。
しかし、あんなにも誰かに愛してもらえたら、それはそれで素晴らしい事だとは思うけど、あんなにも誰かの事を愛してみたいとも思う。すごく。それだけでどんなに人生が美しく感じられるだろうと心底思う。フアドと共にバグダッドの夜空を見上げ「死んでも生きていた時の事は忘れないよ」と言ったアッティリオの言葉は本当に重かったなぁ。
ただフアドの死には疑問が残ります。あまりに唐突すぎではなかったかな。それとも私のイラク戦争に対する理解不足なんでしょうか。
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08.02.01 記
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