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[コメント] 若者の旗(1970/日)

延々となされる議論は全然噛み合わず並置され、噛み合わないこと自体が世情の感深く、そんななか田中邦衛史上最強の科白が聞ける。「貧乏人がいつも正しいの」「そうさ」。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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ついに松山省二主演。彼らしからぬ狂気を宿したような出世志向の造形がいい。ディーラーの生態はも少し突っ込んでほしかったが面白い(もうポケベルがあったのだ)し、山口果林(デヴュー作)は鮮やかで、ふたりの工場裏の藪の件がいい。

日本の家庭一般にこの五人のような人物はいるだろうか。田中邦衛のような人情家はいたりいなかったりする。機械とまで呼ばれるアプレな松山省二は当時も今も大量発生している。山本圭のような理論家はまずいないしその後激減した。喧嘩を察知してビール瓶片付ける佐藤オリエはいてほしい。そして劇中では途中で参入し、まあ松山の好きなようにやらせろやと喧嘩を終わらせる橋本功のような仲裁家は存外多いのではないだろうか。そんなことを思わされる並置劇だった。

公害の指摘は70年の国会が公害国会と呼ばれた時代を反映しており、これを山本圭の編集企画として劇に織り込むのを良しとした映画なんだが、つまみ食い志向で弱いとも云える。無念なのは、最終作なのに佐藤オリエの見せ場がしみったれていて弱いこと。石立鉄男は二年でやたら肥ったものだ。なお、撮影は田村正毅もクレジットされている(助手ではない)。助監督は内藤誠。

(評価:★4)

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