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[コメント] ポケット一杯の幸福(1961/米)

キャプラ作品にしてはいつもの古くさいほのぼのではなくて珍しい。
わっこ

**ネタバレ注意**
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幸せのリンゴを売るアニー婆さんの為にお世話になっているギャングのドゥードが願いをかなえる話。キャプラが33年に監督した『一日だけの淑女』のリメイク。内容としてはキャプラならではのほのぼの系ストーリーで目新しさはないが相変わらず期待を裏切らない出来で結構楽しめる。今回珍しかったのはリメイクという事なのかいつものキャプラ作品のときのような古くさいほのぼのではなくその時代に合わせた作りでテンポも昔の作品より少し速い。ストーリー展開もアニー婆さんの売る幸せのリンゴの幸福を信じて買っているドゥードが渋々にもアニー婆さんの願い事をかなえるという本来のキャプラ作品の展開で行くとかなりバランスが悪くなる所だが今回主人公を嫌々にも協力するという設定にしバランスをよくしている。この作品の印象に残ったのは今まで押しの強い女性役が多かったベティ・デイビスが普通で少しお茶目なお婆さんという役柄を演じていたところ。他にも彼女が前半は薄汚れててとても綺麗とはいえない格好しているところは彼女の作品の中でも彼女の女優としての実力を伺える。普段の彼女のインパクトからするとかなり違った面が見られ彼女の演技に意外な一面を見せている。グレン・フォードはコミカルな面も見せるがどちらかというと結構非常な面があった部分のシーンの方が印象深い。他ではアン=マーグレットがとてもかわいくてつい彼女のシーンでは引き付けられてしまう。悪かったところはいつものキャプラ作品よりはテンポが良かった割にストーリー自体はあまりまとめられていないので後半は無理矢理終わらせている感じがしてかなり違和感があった。前半も本題に入るまでかなりじれったくて段々退屈になってくるのも気になるところ。他ではあれだけインパクトがあるデイビスがストーリーにほとんど絡んでいる感じなくて彼女の自身の印象はあったがストーリーでの印象がかなりなかったのも気になる。いつも強いインパクトで映画に印象を残す彼女なだけに前半はそれなりにも絡んでたのが中間でまったくといっていいほどストーリーに絡んでこなかったのはかなり不満だった。結果としてはキャプラ作品としてはストーリーのテンポは良いがもう少しストーリーにまとまりをつけて役者をもっとストーリーに絡ませて欲しかったところ。俳優のインパクトはとても強かった。

(評価:★4)

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