[コメント] 一日だけの淑女(1933/米)
やっぱりこれは良く出来ている。セルフ・リメイク作含めて好きだ。キャプラらしいファンタジックな理想主義というよりは、デイモン・ラニアンの雰囲気をよく活かしている。
街のボス・デイヴ−ウォーレン・ウィリアム、その側近・ハッピー−ネッド・スパークス、ちょっと間抜けな子分・シェイクスピア−ナット・ペンドルトン、デイヴの情婦(未満)の歌手・ミズーリ−グレンダ・ファレル、そしていくつかのシーンは彼の独壇場と化すジャッジ・ブレイク−ガイ・キビー、これら人物たちのキャラクタゼーションに好感を持つ。
私流の見方で云えば、ジョセフ・ウォーカーはロバート・リスキン以上にキャプラ映画に貢献していると云いたいぐらいなのだが、本作における彼の仕事としても、2度あるNY港における大型客船の場面(入港及び出港の場面)の画面造型は、簡潔な表現ながら、モブのスペクタクルがよく出ていて感心させられる。あるいは、本作の画面造型という意味での一番良い場面は、アップル・アニー−メイ・ロブソンが、夜のバルコニーでキスをする、若い2人−娘のジーン・パーカーとその恋人−バリー・ノートンを見るシーンだと思う。こゝの後景に水が流れるガラス板(噴水のある温室の窓?)を配置した美術が何より良アイデアだが、しかし照明、光の扱いも一級品だ。溜息が出るほど美しい。
キューカーの『若草物語』と同年、デビュー間もないジーン・パーカーはまだ18歳。初老になった頃のパーカーの面影と少し被ってしまうショットもあるが、船上で登場した途端、まるで画面が輝き出したと思えるぐらい、初々しさを爆発させる。いや、序盤にロブソンが娘の写真を見ながら手紙を書く(独白する)シーンで既に(最初に写真が映った時点で)、「なんていい写真!」と思ってしまった。
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