これは「親子」で観る映画なのかもしれない。だからなのか主人公への追い込みが深刻には描かれておらず、やや淡白なサクセスストーリーになってしまった。もっと現実には酸を舐めるような生活があったのかもしれない、いやもしかするともっと楽な生活だったのかもしれない。救世軍や地下鉄構内のような記号は出て来るものの、地まで落ちたかのような生活臭が、まったく漂ってこなかったのは残念。しかも6ヶ月という月日の経過を感じさせることもなく。

奥さん、始まってもうすぐに憔悴しきってます。とても彼女を攻められません。かといって彼女に対するいたわりの描写もあっさりで…不憫です。まあ実話ですから、現実に生きている（であろう）彼女への配慮もあったのでしょうが…。