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[コメント] 墨攻(2006/中国=日=香港=韓国)

篭城して国を守る墨家の軍師・革離の話。策を巡らしそれが奏功する辺りは非常にスリリングだったが、物語の結末が余りに不毛すぎて、やりきれない。それでも★は5つ。なぜなら・・・
IN4MATION

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







圧倒的不利な状況下に援軍は墨家からたった1人。援軍と言えるのか?

突っ込みを入れようとした瞬間、軍師として、彼の才能の片鱗を弓隊指揮官任命のくだりで垣間見せる。武芸に優れた梁王の息子・梁適よりも彼は子団を指揮官に任命する。2人の技量対決で見事に子団が彼の期待に応える辺りは痺れた。

次々と篭城策を巡らす辺りは非常に爽快感が高い。

しかし、ただでさえ不利な状況下にあるのに、守るべき梁国家が一枚岩でないことが露呈していく。この辺りから徐々に爽快感は不快感に変わっていく。

命を賭して守らなくてはいけない使命にある対象がこんなにも魅力がないと、観ているこっちもげんなりだ。

唯一、当初プライドから革離と確執のあった梁適が次第に革離に感化されて心を通わせるエピソードが救い。

守るべき対象が国家ではなく、そこに暮らす人、民衆、取り残された愛する人と気付き、追放された国に再び舞い戻る革離。せめて逸悦の命は救ってやれなかったものか。

余りにもやるせなさが残る結末に愕然としながらも映画の総評に響くほどではない。

従ってこの点数。有益な戦争なんてない。恨みからくる仇討ちは更なる恨みを生み、終わりなき更なる戦争被害の拡大を招く。そうした不毛さをしっかりとメッセージとして受け取れたからだ。

(評価:★5)

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