[コメント] ベニーズ・ビデオ(1992/オーストリア=スイス)
前作といい本作といい、ハケネ初期作ではトイレにろくなものが流れない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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主題は前半と後半に分けられよう。前半は少年の殺害を淡々と記録する。これをモニター画面のなかで描いたことに作者の主張があるだろう。ビデオはソニーのベータ。泣き叫ぶ少女に耐えられず黙れと撃ち込む三発目。ビデオ少年が耐えられないのは想定外の音だった。鳴き声もなく即死する豚と対照されている。
後半は両親の忖度に比重が置かれる。少年が丸刈りにした時点で彼の不思議な回心は示されており、彼が両親を裏切る結末はここで半ばバラされている。映画はこの過程を淡々と描写するのだった。ただ、娘の小銭儲けを悦ぶみたいな白痴描写で両親をコケにするのは蛇足だろう。両親をもっと普通の人物として描くほうが衝撃があったと思う。
遺体を小間切れにして流すのだと語られるトイレ使いは『セブンス・コンチネン』のバリエーション。映されなくて助かったものがあったが、少年の知らない処で処理されること自体に主張があるのだろう。ヌボッとした少年の造形が印象的。
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