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[コメント] カフカの「城」(1997/オーストリア=独)

永遠に辿り着けない映画。
たわば

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







主人公が城に辿り着けないように、観客も結末に辿り着けない。ハネケの映画で「辿り着けない」という言葉から連想されるのは「人の心」。人とわかりあえず、理解できない人間関係、それをこの映画は表現したかったのではないだろうか。

不条理なのは「城」ではなく「人の心」。そして「人の心」を断定できないように、「城」もなんだかわからないまま主人公はその周りを彷徨う。主人公の「城」への希求を、「人の心」への希求の心象風景と考えたなら、この映画の意義が少しだけわかるような気がする。でももう少し面白くてもいいんじゃありませんか?

(評価:★2)

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