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[コメント] 主人公は僕だった(2006/米)

SFはアイディアと、それに裏打ちされたきっちりした演技者の質。その意味で本作は見事にSFしてる。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 特撮がないラブコメ風SF。自分自身の一生が実は誰かの書いた小説の主人公であるというワンアイディアを拡大し、小説家はどこまで人を描けるのか。とか、超常現象と出会った時の普通の人間の反応とか、細かいところに手を抜かない作品で、そして死を前にした時、人はこれまでの自分自身を振り返り、これから「どう生きるか」「どう死ぬか」という死生観まで踏み込んだSF小品としては上手く作られた作品でもある。

 そしてこういう作品だからこそ、キャラクタの善し悪しが作品を決めることになるのだが、そう言う意味では本作はフェレルのために作られたような作品とも言える。なんせコメディアンでありながらしっかりした演技が出来るなかなか貴重な人材だし。そして脇を固めるヴェテラン陣がしっかりしているので、しっとりしたドラマとしてもかなり質が高い。

 フォースター監督はいろんなジャンルに手を出すが、どんな作品を作ってもきっちり作る事が出来ることを証明したような作品でもある。テーマ的に好みかどうか?と言われると、ラブコメ部分が苦手なジャンルではあるのだが、それでもここまでしっかりと見せてくれるのだから、やっぱり監督の実力はたいしたものだと思う。

(評価:★3)

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