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[コメント] アンタッチャブル(1987/米)

「善」を名乗る者が強まれば「闇」も深まる。そもそも善悪とは、法とは何か。善悪の彼岸と暴力の螺旋地獄に踏み込むには作り手の感性が素朴過ぎたようで、光と影の彫琢、「陰影」に欠けた演出・演技が悲惨で、映画が脱臼している。深みのない「ハンサム」風貌のコスナーが象徴的で、虚ろな眼でのリアクションには観ていていたたまれないものがある。迷子の子供のようだ。あとトミーガンはどうした。トミーガンをもっと出せ。
DSCH

元がテレビシリーズで楽に観りゃいいじゃんというのが正解かもしれないが、僕としては『ゴッドファーザー』、『ダーティハリー』、『ダークナイト』。この辺りの作品を観た上で、この作品に何を感じればいいのだろう、というのが率直な感想。

この手の映画で隠れた主役になるべきは「街」であり、その「におい」なのだが、その点全く表現しえていない。「禁酒法時代」なんて、においムンムンでしょうに。

デ・ニーロは小手先で演技している(ほとんど独演会やってるだけなんですよ)。ある程度巧い俳優なら誰でも出来る演技だろう。舐めてかかっているのか、素なのかは知らないけども。

いちいち死亡フラグを開陳してしまうモリコーネが鬱陶しい。撮影にはゴードン・ウィリス先生を召喚したい。

(評価:★2)

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