[コメント] 黄色い涙(2007/日)
現時点で犬童監督の才能は感じていない。彼は映画監督を職業としてとらえている。だから芸術家とか、タレントとかとは違う。あくまでも求められた作品をそれなりに淡々と作り続ける監督だ。
もしかしたらこれは彼の戦略なのかもしれないが、『黄泉がえり』、『ジョゼと虎と魚たち』、『メゾン・ド・ヒミコ』、『死に花』など、独自性の高い映画を作る反面『タッチ』や前作『眉山』など、明らかに映画会社から求められて作る”どうでも良い"作品も数が多い。
考えて見れば、昨今の映画事情で自分の作りたい作品を純粋に作り続けることなど所詮無理な注文である。
かつて小津安二郎や溝口健二、成瀬巳喜男、黒澤明という、映画が全盛の頃、映画会社と戦って自分の志す作品を作り続けた人たち、あるいは日本のヌーヴェルバーグと称され、映画会社と離れて自らの生きる道を切り開いた今村昌平や大島渚などと、現代の映画監督では背負うものが違うのだろう。
だから犬童さんのやりかたを必ずしも否定するつもりはないが、しかし、面白くない。
そんな中、この作品は本人が作りたいと望んだ数少ない映画の1本ということで、多少の評価には値するようだし、決して愚作とは言えないが、所詮職業監督としての出来上がりというのが印象だ。
但し!二宮くんは素晴らしい!!
クリント・イーストウッドに影響されたか、自らの意思かはわからないが、彼の後半の演技は見事だ!才能を感じる。
歌なんかやめて役者になれば良い。
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