[コメント] 内海の輪(1971/日)
やや物足りない部分もあるが、清張作品と岩下志麻の相性はやはり抜群と思わせてくれる作品。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「内海の輪」はまだ未読だが、これは以前読んだ「津ノ国屋」という短編の後日談と思われる。「津ノ国屋」も「内海の輪」と同じく、駆け落ちした夫を訪ねた帰途、弟と関係を持ってしまうのだが、道中はまったくそんな素振りを見せない女が、なんとなくそんな流れになってしまうのがいかにも複雑な女心を描写しており秀逸な作品だった。しかしこの作品では自分を裏切った夫への復讐という要素も含めたその部分がすっぽり抜け落ちてしまっていることに物足りなさを覚える。
ただ、船に乗り込む岩下をローアングルで捉えていたかと思うと、乗り込んだら離岸したり、海をバックに抱擁する二人を望遠で捉えることで海をモザイク画のように輝かせたり、男の名を絶叫する岩下をズームアウトすることで蓬莱峡(『隠し砦の三悪人』のロケ地で有名)の険しさを強調したりと、分かり易く的確なカメラワークに好感を抱いたことと、オープニングのしっとりとした雰囲気が、(清張作品でマイベスト1の)『影の車』に似ているので1点おまけして付けたくなった。
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