[コメント] ロッキー・ザ・ファイナル(2006/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
CinemaScapeで高評価でなかったら観に行かなかっただろう。… スタローンが監督してここまでの作品になるとは驚いた。歳月を示す現在の場面、回顧シーンでの感情表現のバランスも見事だし、脇役陣の表現も見事だった。技術的にも、スタローンがここまでの作品を作った事に感動した。
映画ではロッキー=バルボアが何者なのか、が見事に語られていた。変わるものと変わらないもの。現在のロッキーは30年前の彼とは違う。それは肉体に限らず、周りの人間関係も違うし背負っているハングリーさも30年前とは違うものだ。ロッキーの中で変わらないもの、それはチャレンジ精神だけではない。謙虚さ、思いやり、努力だ。ロッキーは他者への眼差しを忘れない。今度のロッキーは30年前の若者とは違う。ハングリーさとエイドリアンへの愛だけでリングへ上がるのではない。
そしてスタローン自身のロッキー=バルボアに対する尊敬と親愛の念が深く丁寧に語られている。初老のロッキーが、今回もフルラウンドを戦い抜き、アポロやドラゴの時より潰れていない顔で、担架ではなくしっかりとした足取りで、にこやかに晴れ晴れとした表情で帰って行く。会場がそれを大歓声で送る。振り返り大きく手を掲げた後、ロッキーは観客と握手を交わす。(そんな事はあり得ない) ロッキーが何者なのかが伝わる場面だ。そしてスタローンがロッキーを如何に尊敬しているかが解る場面だ。… だから、俺はエンドロールでのアメリカ市民の映像も許せる。ロッキーはそういう男だったから。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。