[コメント] ツォツィ(2005/英=南アフリカ)
南アフリカにおいて、黒人は全て「被害者」だという思い込みがあったのだが、黒人社会にもここまでの貧富の差がある事に驚いた。これはアパルトヘイト撤廃後の現象と捉えればいいのだろうか。
**ネタバレ注意**
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これは想像でしかなく、間違っていたら申し訳ないのだが、アパルトヘイトがあった頃は、優秀であってもその才能を発揮できる場所がなかった一部の黒人たちが、アパルトヘイト撤廃後、富裕層となり、この映画のように黒人が黒人を襲うといった悲劇が起こるようになった、と考えて良いのだろうか。
肌の色が何色であろうと、暴力で他人を支配しようという考え方はあってはならない事で、でもツォツィはそんな基本的な事さえ学ぶ機会すら与えられず、大人になってしまったのだろう。人を刺し殺しても、撃ち殺しても、殴っても、良心の呵責すら見えない主人公だが、純粋無垢な赤ちゃんに手を出す事は出来なかった。それは彼の中に存在する「善」の心の現われなのだろうと信じたい。
日本の法律に準じて考えれば、彼は死刑は免れないだろう。でも赤ちゃんと過ごしたほんの数日間に芽生えた、多分彼自身にも説明のつかない感情を、最後まで大切にしてほしいと願う。
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