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[コメント] ゾディアック(2007/米)

犯人に挑んだ人間達の長い葛藤を描くことに成功している。「見えない敵」のスリルや魅力の対象が犯行そのものではなく、追っ手の心の中に潜んでいる。武器とも言えるサスペンス要素をも直接見えない部分(心理)にしまい込んで描き抜いた鬼才
ナッシュ13

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







劇中では長い年月が経過していく。決して事件の要約ではないが、事件を追う上で最重要のエピソードだけを濃縮させた作品であることは間違いない(主な視点は原作者のグレイスミスだ)。そして結果的には鑑賞後、見えない敵ゾディアックに挑み、そして犯人をあげられなかった追っ手と事件を本に記した原作者の物語だとわかる。

記録作品のようで、しっかりしたドラマ作品。フィンチャーのサスペンス要素は終始開放されているわけではなく、ちらちらと見え隠れしている状態。これは派手なシーンがあるわけではなく、登場人物の心理、また作品の主となる会話にサスペンス要素がふんだんに盛り込まれているからだと思う。そういう手法(勝手に解釈しているが)で事件に迫ったフィンチャーは、やっぱりスゴイな。

(評価:★4)

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