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[コメント] サイドカーに犬(2007/日)

少女にとって、将来の選択肢として「お母さん」以外に追加された「大人の女」。タイトルと内容との距離感など、どことなくバラつきが感じられるのがやや物足りない。081229
しど

ヨーコとカオルのやりとりは面白いのだけど、全体的に人物やエピソードの関係がバラバラに感じられる。それは、細部の設定を誤魔化して、いろんな部分が抽象的になってしまったからだろう。例えば、オヤジの仕事関係、交友関係。見てりゃ、何となくはわかるんだけど、「何となく」で済ませてるから深みが無い。ヨーコとの関係もそんな感じ。どこか、イメージで逃げてるから、イメージ以上の面白さには到達できない。

同様に人物描写も、とってつけたような特徴を持ってるけど、それが表面的な効果しか持たない。「タバコ」、「読書」、「自転車」を好む女。個別の特徴として「アリ」だけど、全部一緒は違和感があるというか、タバコが好きならバイクに乗ってそうなもんだけどな。べスパなんて似合うじゃん。逆に、フクラハギの筋肉を女の自立性として象徴させたがる女なら、タバコは吸わないんじゃないかな。そもそも、そんな女が悩むような不倫をするだろうか? 全体的に面白いのだけど、どこか腑に落ちない部分があるとすれば、そういう細かいところを詰めてないのが原因だと思う。

逆に、ヨーコとカオルのやりとりが面白いのは、大人と子供の抽象的な問答として、余計なリアル感は不要だからかもしれない。

あと、イメージ重視の効用としては、役者が皆、それぞれイメージ通りにはまってるのが良い。

(評価:★3)

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