マジンガーやゲッター、コンバトラーで育ち、ガンダムを育てた(あえてこう言わせてもらおう)世代からすると、「今の変形はこうなの?」と悩んでしまった。

つい先日(と言うには時間がたっているけど)、日本の変形ものアニメの集大成というべき「マクロスF」を観、「変形もここまできたのかぁ」と思ったのとは対照的だ。「今の変形」というよりも「この監督には(日本のアニメでやってる)変形は、こういう風に見えてたのかな」とか。

訳の分からないものから、訳の分からないものへの変形なら、あれでもいい。だけど「車」から訳の分からないものへ変形するとしたら、車のパーツをどこに収めるのか、どう変形させるのか、がキモになるんじゃないか。私たちはそこにナニかを感じていたし、だからこそ、なんども(たとえ同じシーンの繰り返しだとしても)変形シーンを穴があくほどみて、(たとえ物語が先週とほとんどかわらないにしても)興奮するのだった。それは「マクロスF」も変わらない、と感じた。あの瞬時に変形するVF-25の、肉眼ではわからないひとコマひとコマを脳内で再構成し、そこに作画的なウソがあろうともナニかに納得するのだった。この作品には、残念ながらその部分はない。まぁ、そういう作品でもないんだろうと思う。

映像はすごくキレイでよかった。トランスフォームも自分の好みではないけとすばらしいと思う。

ただ、見終ったあとの最初の一言は「ふーん」だったし、それが全てだった。なんだか、ただ見せられてるだけで、主人公(って誰?)と一緒に何かを感じることが一度もなかった。主人公(だから誰?)と一体になれてこそのヒーロー物だと思うのだけど、これも日米の違いなのかなぁ(反語)。

リベンジもすでに公開されているが、「観とかなきゃ」という期待感が湧いてこない。一言、残念。

評価: 2.2。人からどうだった?と聞かれたら、おもしろかったよ、すごいから観といた方がいいよ、とはとても言えない。時間が余っているとしても、ほかを勧める。メカの変形、その辺だけは目をみはるけど、それとてちょっとくどい。