[コメント] 次郎物語(1955/日)
抗弁できずに俯く少年の仕草と旧家をなめ回すトラッキングの反復で一本撮られている。ひと呼吸長い不思議な顔アップや子供の喧嘩の長回しに清水節が見える。
話は手堅いメロドラマと云う外ない。音楽がベトつくのが残念。修学旅行の箱根の宿はたぶん『晩春』と同じ場所。賀原夏子は絶対殺したい婆あを好演。彼女に虐められたのだろう、前後の脈絡なく板間に俯せているお鶴の多勢まゆみのショットがいい。池内淳子はアップがなくてガッカリだが、やっぱり熟年の色気が出てからのほうが魅力的。池内を思い出して欄干を撫でる主人公は春の目覚め。
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