[コメント] わが心のジミー・ディーン(1982/米)
一見舞台劇のようだがしかし紛れも無く映画の呼吸を持つ『フール・フォア・ラブ』にも繋がる傑作だ。それは凝ったフラッシュバックや鏡を使った繋ぎが映画でしかできないから、と云ったレベルではない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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例えばカレン・ブラックが登場し、その正体が判るあたりが顕著だが、人物の動かし方と絶妙な距離感で漂うカメラ・アイによる画面の呼吸(文字通り息をしているかのような、或いは息を詰めているかのようなスリリングな画面)のことを云っているのだ。このあたりの虚実の繰り出し方は見事に映画的だ。またラストのシェール、サンディ・デニス、カレン・ブラックで唐突にマクガイアシスターズを唄い踊る展開もすっごい映画的だと思う。唐突さ故にリアリティが無い、演劇的と非難するのは的を射ていない。映画において唐突であること、荒唐無稽であることはいついかなる場合でも美点なのだから。
ただ、本作のフラッシュバックも、全体の中で確かに効果を上げているのだが、回想シーンそのものは上手くいっていないと思う。人物のモノローグだけで語られる回想−例えばサンディ・デニスが『ジャイアンツ』撮影時のことを語るシーンなんかの方がずっと想像力が刺激されていい。
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