[コメント] レミーのおいしいレストラン(2007/米)
◆原題の「Ratatouille」とは、ウィキペディアによるとフランス南部プロヴァンス地方、ニースの野菜煮込み料理とのこと。日本で言えばなんだろう。いずれにしてもごく普通の家庭でごく普通に食べるもので、わざわざ敢えて高級レストランに食べに行くような料理ではないらしい。フランス人のソウルフードと言ったところか。あ、そういった意味で精神的な日本人のソウルフードと言えばカレーライスみたいなものかも。綴りに”Rat(ドブネズミ)”のスペルがあることから、ブラッド・バードはこのストーリーを思いついたのかもしれない。
◆相変わらず映像表現は素晴らしい。水の質感やネズミ目線での疾走感なんかはピクサーの新しいチャレンジ精神があふれていた。前作「カーズ」では乾燥していて埃っぽい米国の風景が良く描けていたのに対し、今回はヨーロッパ的なウェット感が良く出ていたと思う。
◆ただ、根本的な問題として、ネズミが作った料理というものをどうしても食べたいという気分を呼び起こしてはくれないことがひとつ。なぜなら、ネズミキャラクター単体で見た場合、それなりに擬人化デフォルメされていて気にならないのだが、それらが群れをなして動き回るところはまさにネズミの大群そのもので、ぞぞぞぞぞっと全身総毛だってしまった。ネズミ嫌いのヒトが見たら卒倒しかねないのではなかろうか。主人公リングイニが人間的にほとんど成長していかないのもけっこう不満。レミーとともに料理を作るうちに、体がそれを覚えてしまってレミーがいなくとも充分以上に料理の腕が上がっていた....、とかワタシが監督ならそうするな。あと、辞めてしまった他のレストランメンバーとか潰してしまったグストーのレストランへのフォローがまるきりスルー。正直楽しみきれなかったぞ。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。