[コメント] レミーのおいしいレストラン(2007/米)
アニメでなければ描けなかった物語。 料理上手のネズミと料理のできないレストランの雑用係。ひょんなことからであった二人がレストランで料理を作ることに。またそれが絶品の料理。それが話題になることで、色々な出来事が巻き起こる。 私が子どもの頃、夜寝ると、天井裏をネズミが走る音がよくしたものだ。また、戸棚や台所の下などに入れておいた食料がネズミにかじられるのは当たり前の事だった。たべものだけではなく、固形石鹸までかじってしまう。そのために、スチールの一斗缶に食料を保存したりした。 ネズミ捕りを仕掛けて、ネズミをよく採ったものだ。だから、ネズミは可愛いものではなく、人間の生活にとって厄介なものであり、病気などを媒介する不潔な存在であった。 このアニメではネズミの存在はかなりリアルに描かれている。その点ミッキーマウスとは全く違う。このアニメを見て最後まで、こころの片隅に「ネズミ=不潔」という方程式がちらついていたのは、年代のせいなのだろう。 そんな、感覚はありながら、それを超えて、このアニメは良くできている。ファンタジーによくある、人間と動物が会話が出来るというようなことはなく、そこにこのアニメがリアリティをどのへんで保持していくかの境界線を引いている。そしてそれは、成功している。 人間は人間としてあり、ネズミはネズミとしてある。この物語は一見、人間とネズミを繋ぐものを「料理」として描いているが、実は人間もネズミを等しく繋ぐものは「愛」なのだということが伝わってくる。 このアニメの原題が「RATATOUILLE」であるということが良くわかる映画であった。是非レシピを知りたいものだ。
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