[コメント] 大当り三色娘(1957/日)
引き続きバラエティ番組のショートコント集の趣で最終作。ぎこちなく三人均等に扱うよりチエミだけの『サザエさん』のほうが面倒がないとスタッフは簡単なことに気づいたのだろう。皿洗いより踊りが好きと三人で皿を叩き割るOPの蕩尽が大量消費社会っぽい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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三人とも宝田明が好きから始まって、恋の駆け引きは三対三に収まる平和な収束。昼間の湖、ボートに乗るひばりと宝田を見かけた、これもボートに乗るチエミといづみが「男が女の膝に持たれているわ」「いるのね、太陽族って」という注目すべき会話をしている。ひばりは宝田に、ふたりを肥ったのと痩せたのと呼んでいる。「ほら、ボートの後ろが沈んでいるでしょ」。この頃コメディ寄りの江原達怡は本作でも鼻を腫らしている。チエミはひとり関西弁で、浪花千栄子と『サザエさん』風の口喧嘩したりする。
本作の見処はやはり唄で、チエミはメリーアンを土手で唄い(ここで絡むコーラス四人組は誰だろう)、セットで霧のロンドンブリッジと唄う。最高にいいのはいづみがGパンデ唄うビ・バップ・ア・ルーラ。リアルタイムとしては突出していたのじゃないだろうか。ひばりは鴨川踊りみたいな派手なセットで煌びやか。
お約束のラストは今回は危なっかしい水上スキー。三面鏡の美術が二度ありいいショット。冒頭出てくる、いい味出している下北原マーケット(たぶんセット)は下北沢が模されているんだろうか。ここで仲の良いひばりといづみを見てチエミが屈託を見せるのだが、不思議と劇中何も生かされなかった。若山セツ子が出ているらしいが見逃した。「おおあたりさんしょくむすめ」と読ませている。東宝初のシネスコ作品の由。
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