コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ボディ・アンド・ソウル(1947/米)

これは想像と違って凄い名作然としたハリウッド映画らしい映画で驚いた。もう少しインディペンデントな香りのする映画かと思っていたのだ。(ジョセフ・ロージーの『大いなる夜』みたいな。いずれもロバート・アルドリッチが関わっているというのが共通点。)
ゑぎ

 ただし、ジェームズ・ウォン・ハウの光の扱いは冒頭から影を強調したローキーで一貫しており、ハリウッド製メロドラマとは一線を画するし、ラストのファイトシーンの画面の強さについては今見ても興奮する。

 名作然と感じるのは多くは構成に拠っており、エイブラハム・ポロンスキーの意図なのかどうか、私は認識していないが、回想前、回想への入り方、回想後の帰結といったプロット展開と、ヒロイン・リリー・パルマーの機能のさせ方なんかにそう感じる。しかし、リリー・パルマーのアパートのシーンは、その階段も部屋もとっても良く描けていて、特にラスト近く、ジョン・ガーフィールドが、肖像画を持って彼女の部屋を訪ねるシーンは実に感動的で、思わず落涙してしまった。実はこういったメロドラマ部分も良くできているのだ。また、ラストもちょっと一筋縄ではいかないもので、詳述は避けるが、『三つ数えろ』のラストにも似た奇跡的なエンディングと云えるだろう。

#備忘で配役などを。ガーフィールドの母親はアン・リヴェール。友人でセコンドになるショーティにジョセフ・ペヴニー。彼が出ると俄然、犯罪映画の匂いがしてくる。『情無用の街』『深夜復讐便』のぺヴニーだ。クィンと呼ばれるプロモーターはウィリアム・コンラッド。この人にはプールバーのシーンがあり、『ハスラー』のミネソタファッツを想起。八百長を勧める興行師はロイド・ガフ

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。