[コメント] スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ(2007/日)
セルジオ・レオーネは決してパロディを撮った訳ではないだろう。残酷で下品なソレは本家の西部劇とはまったく別モノのジャンルを確立した。本作のタイトルにもなっている『Django』=『続・荒野の用心棒』はNY近代美術館に永久保存されるまでに昇華した。
イタリア人によって自国の歴史劇を捏造されるアメリカ人の感覚は如何ほどだったのだろうか?芸者役を中国人女優によって演じられた作品に対する日本人の感覚と同じなのだろうか?その日本人もまた、中国やモンゴルの歴史を全編日本語で制作したりする。
いつかきっと、朝鮮征服に失敗した極悪人=豊臣秀吉一派を悪役とした大阪の陣を主題にした韓国映画がペ・ヨンジュン様主演で映画化される日がくるかも知れない。
セルジオ・レオーネは決してパロディを撮った訳ではないだろう。だが三池崇史は完全にパロディ狙いで撮ってきた。英語の台詞がどうとかこうとか言っているのではない。その姿勢を言っているのだ。
オープニングのクエンティン・タランティーノのシーン。というより、その背景からしてアノ「おふざけ」ようだ。映画づくりには「お遊び」が必要だろう。だが、アノ「おふざけ」は「お遊び」というよりも「照れ隠し」が極まった末のものだったとしか考えられない。
ストーリーは面白いのだ。そりゃ、大映や東映の時代劇や『用心棒』なんかでお馴染みのストーリーだからハズレはない。ハズレないならもうちょっと真面目に取り組んでみたらどうだったんだろう?繰り返すが英語の台詞は構わない。私は彼等の英語が流暢ななのかどうかなんてどうせ分かりっこないし。
照れないで真剣に日本発のアクションを撮ったなら、海外のどこぞの映画館が購入してくれる可能性もあるかもね・・・NY近代美術館に永久保存は無理だろうけど。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。