[コメント] OK牧場の決斗(1957/米)
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実際にあったOK牧場の決闘を元にした映画。この素材は先にフォード監督の傑作西部劇『荒野の決闘』(1946)がある。その差別化を図るためか、こちらでは男臭いバート=ランカスターを主演のワイアットとし、ドクにカーク=ダグラスにして、主眼をワイアットとドクとの友情に持ってきている。その狙いは当たっていると思う。確かに『荒野の決闘』と較べると、静かな叙情みたいなものはないけど、アクションと登場人物の個性の強さのお陰で痛快西部劇に仕上がっている。
私は『荒野の決闘』よりもこっちの方を先に観ていたため、イメージが固まっていたので逆に『荒野の決闘』にはかなり戸惑いを覚えたものだ。なんでこの作品がこんな静かになるの?って感じだったが、それだけ本作の印象が強かったと言うことだろう。ランカスターやダグラスがとにかく格好良かったんだよ。お陰で『荒野の決闘』でヘンリー=フォンダのワイアット=アープに違和感を覚えまくっていたものだ(ちなみに現在、どっちが好きか?と問われると微妙。どっちも好きだ)。
そう言う意味では本作は“友情とアクション”に主眼を置いた、まことに西部劇らしい出来の作品であったのだが、本作についてはそれがきちんとはまっていた。情熱を持ちつつも、保安官という立場から自制をきかせるワイアットと、根は真面目な人間のように見えながら、どうしてもアウトサイダーになってしまうドクの正反対な二人の呼吸がぴったり合うのが面白い。なんと言ってもランカスター&ダグラスは名コンビだ。
クライマックスのOK牧場での銃撃も、史実通りに一瞬で終わらせるのではなく、しっかりツボを抑え、やや長目に作っているのもちゃんと観客のことを考えてくれていて好感が持てる。ここでのドクが又格好良い。
ラストもかなりあっさりした感じだが、それが良い具合に余韻を残してくれる(史実によればこの後ドクは病の悪化により病院でひっそりと死んでいくのだそうだが)。
そうそう。フランキー=レインの歌う主題歌は良いよね。主題歌だけでなく、挿入歌としても用いられてるのは緊張感の演出には最高。
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