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[コメント] 厨房で逢いましょう(2006/独=スイス)

あなた、美味しい物を食べて幸せになりたいですか? では東京で会いましょう。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 見終えて、「Schmeckt es gut!(おいしかった!)」とは感じたけど、グレゴア(ヨーゼフ・オステンドルフ)の作るフランス料理風の上品さではなく、マクドナルドあたりのジャンク・フード系のそれでしたね。

 ドイツ映画はあまり見る機会がない。だから、どんな役者陣のストックがあるのか知らないし、この作品もほとんど初めて見る役者さんばかり。でも顔立ちとか体型とかが、実に適切な選択で驚いた。もちろん役者さんたちの役作りに拠るところもあるだろうけど、こういう映画作りの基礎的部分に寄せられる信頼感って結構大きい。

 ただ例えばクサヴァー(エデンの夫)なんかは、男として、エデンという女性の良さを理解していたわけで、本来そんな悪い奴ではないんだと思う。文明の内に根強くはびこる野蛮、的な描かれ方をされた後にあっさり殺されてしまうのには、悪意を感じた。これはこの映画の安易なところであり、嫌なところでもある。さらに言うと(冒頭シーン)、生きた鴨の羽をむしりながら、死んだ(食事になった)姿を想像して優しく話し掛けているなんて、ちょっと歪んでると思った。

 エデンという女性は、ほんとに可愛い人だと思う(付き合うのは大変そうだ)けど、もし彼女が日本に来たら、もっと平凡で安くて、かつ繊細で幸せを感じさせる食べ物を、いくらでも紹介してやれる。

 注)「ミシュラン東京版」発刊の年にかけて「東京で」としましたが、日本国内の都市であればどこにお越しいただいても結構です。

80/100(07/12/31記)

(評価:★4)

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