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[コメント] 恋空(2007/日)

2007年発売の「ポケットモンスター ラブ&スカイ」新垣バージョンと三浦バージョンのまとめ買い。
シオバナカオル

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







リアルタイムで(しかも年齢もリアルだったのに)一切嫌悪して触れなかった今作を4年後の今、ついに観た。

非常に予定調和な物語の進行に戸惑う。・・・?

それに降りかかる人生の大イベントたちに一切の余韻を残さず淡々としている登場人物たちに戸惑う。・・・?

でも、恐らく今時の中高生は、さらに言えばあの時のリアル年齢だった自分も含め、こんな風に淡々としている(た)。他人のアクシデントに対して余興のように囃し立てる淡々さをこの作品はしっかりとがっちりと映し出している。

時代とその世界に現実生きる世代が生んだ青春映画であることに間違いない。色々な意味で時代を象徴する作品として映画の役割を担っている。

三浦春馬新垣結衣という二人のキャスティングは完璧で、とてもわかりやすくたとえるなら「ポケットモンスター」を発売日に別バージョン二つ同時に買った感覚である。

今のこの二人が画面に出ているだけでもはや無敵状態、別に演技などどうでも良いほど綺麗な映画に見えてしまう。着色の必要がなく強烈に人を魅了する刹那的なアイドル性を発揮している。

ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』『NANA』『世界の中心で、愛をさけぶ』『一リットルの涙』などなど現代人ならば誰でも知っている有名な青春・恋愛の映画が今作の仲間のように感じられるが、ぜんぜん違う。

上記の作品たちは「作り手が大人」で青春を懐古して作っているのに対して、今作は変な話、「作り手が中高生」なのである。

エンディングのMr.childrenが映画とは全く別の作品に思え、音楽と物語がどうもうまく一致しないのはミスチルが中高生ではないから。(言うまでもなくミスチルの音楽は若者の文化に属すが彼ら自身はその文化に属していない)勿論ミスチルの曲はすばらしいが、そのすばらしさは映画と相乗するものではなく単一的に感動する。だから新垣結衣に劇中歌を歌わせたのかな?と思った。

失礼な話、中身がこれまでボロボロなのに「時代背景」と「主演二人の輝き(これも時代によるものだが)」だけで映画を成り立たせしっかり感動させているのは、すごい。

奇跡の作品だと思う。

(評価:★5)

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