[コメント] 血とダイヤモンド(1964/日)
光と影の過剰なまでのコントラスト。佐藤允率いる強盗グループが身を隠す廃屋内での、バラバラに配置された人物をロングショットで捉えたカットなど、ユニークな画面造形が全編冴え渡る。
この佐藤允の物凄い顔面の汗!彼を含め、悪党どもが皆頼りない小物にしか見えないところが良いのだ。そんな中で、宝田明演じる探偵が断然格好良く描かれており、そのスマートな存在感に惚れ惚れさせられる。
ところどころで情に流れる演出がドライに徹しきれない甘さを感じさせるとも言えるが、しかし決して安っぽい印象はない。手が震えてうまく手術ができない、老いた医者・志村喬の焦りの表情。この登場シーンが、後の志村の述懐への伏線となるのだが、こういった作劇がまたニクいほど巧い。
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