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[コメント] 映画 クロサギ(2008/日)

観た映画が、斬新かつ上手くまとまっていれば最高だ。が、破綻していても斬新さがあれば、ありきたりでもまとまっていれば、それなりに良いと思っている。でもこの映画には、斬新さもまとまり感も無い。何も無い。(2008/03)
秦野さくら

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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空中分解しかかってる筋書きを、“シェイクスピア”や“オセロ”といったもっともらしいアイテムでなんとかつないで見せても余計にチャチく見えるだけ。その2つのアイテムも、使い古された暗喩やセリフ引用のオンパレード。正直、辟易した。

オセロシーンを長々見せるより、もっと描くべきことがあるだろう。脇役達を都合よく登場させたり、ちっとも効いてないタイムサスペンスを使ったり、チャチな詐欺をネタに使ったり、裏ボスが他にいたり(シナリオにちっとも組み込まれておらず、それは後だしじゃんけんだ)、とにかく“安い”。演出も、シナリオも。しまいにはラストに岸部シローを登場させたが…まさか続編作る気じゃあるまいな。もう観ないから関係ないけど。

エレベーターを使ったアクションシーンも、敵役も、詐欺内容も、山崎努との対峙シーンも、思い出のアイテムも、何もかも中途半端でショボイ。TVシリーズがそれなりにまとまっていて面白かったので映画にも期待していたのだが、映画ならではのスペクタクルが無いどころか、TVシリーズのほうがよっぽど出来が良かった。観終わったあと周囲の観客から漏れていた言葉、「山ピーカッコよかったけど、この内容、1時間で充分だよね」には大いに同意。要は、1時間分しか創れないのだろう。

久しぶりだ、映画を見終わったあと“1800円返せ”とちゃぶ台ひっくりかえしたくなったのは。

(評価:★2)

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