コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ミスト(2007/米)

キング』は大衆ホラー作家なので普遍性を持っているんだけれどその中の一部分は私が一番評価していないところ。
t3b

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ホラーに必要なのは闇と薄暗い中に見える微かな明かりだと思う。この明かりの提供具合が重要でなんらかの希望を見出そうとしないホラーが成立したことを見たことは無い。

キングが提供する闇が見える光景に関しては基本的に不満は無い。キングは規模の巨大な闇のセッティングが出来る作家でこれは稀有な資質。ただ、彼が物語で見せる人間の普遍性や成熟した情緒みたいなものに私は興味が無い。いわゆる一般の人が恐怖を感じることで共感や理解しやすさを狙っているのだろうけど、私がホラーを観る理由はなにが怖いのかという定義を自分の中で追求したい部分が大きい。

そこが出てしまうこの映画は私にとっては苦痛だった。宗教原理主義は私だって嫌いだけれどそれをホラーを上回る要素になってしまって組み込むのに失敗している。話の中で有機的にくみこまれてかつより大きなお題があるというのなら良いのだけれど、(『ロメロ』とか)普通の情緒が宗教原理主義や人間のエゴで壊れるほうがメインのお題でお話の枠からはみだしちゃうようなら、ホラーの枠でやらんで良いんでないの?

(評価:★2)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。