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[コメント] 三十九夜(1935/英)

ヒロイン役のマデリーン・キャロルはハネーの前で見せる笑顔が実にキュートで出番は少ないがなかなか魅力的。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







女スパイの殺害の汚名を着せられた男の逃亡サスペンス映画。

ヒッチコック監督お得意の殺人の濡れ衣を着せられた主人公の逃亡、偶然知り合うヒロイン、追っ手が組織ぐるみなところなど、後年の作品郡とストーリーは大差ない。先に類型作品を観ているためどうしても先の展開が読めてしまうのが難点。

しかし、伏線の張り方は後年の作品よりも不自然なところがなく、終盤までの展開は素直に受け入れられる。特に主人公が農家から逃げるときに農家の女性から上着をもらう伏線や宿屋でヒロインであるパメラに宿帳のサインを書かせる伏線はなかなか上手い。

後半から話が一転してコメディ的な展開になってしまうところを素直に受け入れられるかどうかで作品への評価が変わるかもしれない。個人的には主人公ハネーとヒロインのパメラが手錠に繋がれたまま逃亡するところはなかなか笑えた。

役者としてはパメラ役マデリーン・キャロルのハネー役ロバート・ドーナットとの絡みはなかなか面白く、最初はハネーにいい顔一つしなかったのに、ハネーの言い分が事実だとわかった後に見せる笑顔は実にキュートで出番は少ないが魅力的だった。

不満があるとすれば、終盤で事件の真相がわかるわけだが国家機密の情報を横流ししていたスパイが終盤で組織の正体をわざわざ公衆の場で明かした理由が分からないところ。後、序盤で女スパイのアナベラは匿ってほしくてハネーの部屋に隠れていたわけだが、この後で背中にナイフを刺された状態でハネーの前に現れる時には展開的に見ても事前に外出したと思われるのだが(室内でアナベラを殺したなら情報を聞いているかもしれないハネーもついでに殺すのが普通だし、室内に進入した時にハネーが気配に気付いてもいいだろうし)危険から守るために匿ってもらっているのに、アナベラがわざわざ追っ手に捕まるかも知れないというリスクを背負ってまで何をしようとしていたのかが気になる。

(評価:★3)

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