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[コメント] 第3逃亡者(1937/英)

「西のヒッチコック、東の溝口健二」とでも言いたくなる長回しショット。これほどまでにゾクゾクする犯人描写はめったにお目にかかれません。
TM大好き

**ネタバレ注意**
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ヒッチコックのイギリス時代では最も上の部類に入るように感じます。例えば、冒頭、浜辺で死体が発見されるシーン。ギャルたちのバストショットにカモメのサブリミナルカットが挿入されますが、これは後の『』を思い起こさせます。異様な殺人事件が発生したことを観客に伝えるのに格好の編集と言えるのではないでしょうか。言葉ではなく、フィルムの切り貼りによって状況を説明する――まさに映画ならではの表現です。

しかし、この作品の見せ場は、やはりホテルのバンケットホールにおける長回しです。ノヴァ・ピルビームたちが座っているテーブルをロングショットで撮ったあと、そのまま、カメラは右方向にパン。フォーカスを固定したまま、ダンスホールを撮り、そのまま真犯人たるドラマーにクローズアップ。この間、カットが入らないワンシーンワンカット。これほどまでにゾクゾクする犯人描写が映画史において一体いくつあるでしょうか。同時代に、溝口健二が『残菊物語』で負けず劣らずの歴史的な長回しショットを見せていますが、そういう意味では「西のヒッチコック、東の溝口健二」と言えるのかもしれません。

ちなみに、初期〜中期のヒッチコック作品は、ストーリー構成が弱いように見えます。この作品も、シークエンスのつなぎに無理がありますが、そうした点もヒッチの秀逸な演出がカバーする形となっています。

(評価:★4)

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