ふたりであちこち出かけて行くわりに全然「ロード・ムービー」じゃないのは、何故だろう？

結局、それは「旅」ではなかったし、「冒険」ですらなかった、ということなんだと思う。

スカイダイビング、カーレース、ピラミッド、万里の長城、ヒマラヤ、香港の夜景など、すべてが何の切実さも無いタダの思いつき、ヒマつぶしであって、金の力で何の苦労も無く簡単に実現させるだけで、誰とも出会うこともなく、経験したからといって何も得るものが無い。

もし自分なら、人生最後の半年をこんな風に消費するのは御免だな。 まあ、先立つものも無いので要らぬ心配ですがw

そんな程度のものからじゃあ、結局は「家族」の元に戻る、という価値観もひどく薄っぺらく感じる。

ジャック・ニコルソンにもモーガン・フリーマンにも文句は無い。しかし、名優ふたりにして、この感動の薄さは、一体誰の責任なんだろう？　どうにもロブ・ライナーの老いを感じてしまう皮肉。

要するに、肝心の「棺桶リスト」の中身がつまらな過ぎる、ということに尽きる気がします。