[コメント] 夏音 Caonne(2006/日)
あまりにも都合よく、冴えない主人公を求めるヒロインに唖然とする。というより、この物語を包んでいる、甘ったるい17歳という年齢への全面肯定が鼻持ちならない。17歳が美しいかどうかなんて、その渦中にいる者は判断することすらし得ないものだろう。
「17歳という年齢が、人生で最も美しい時期なんて誰にも言わせない」というセリフが呪文のように繰り返されるのだが、このキーワードはそこまで万能でありうるだろうか?
少なくとも、「大人の現実」を生きているヤクザには通用しそうにないし、最後のパイ投げ合戦もご都合主義にしか受け取れない。主人公が挫折しては何故いけないのか?また再び這い上がってくる描写が厄介だから、の言い訳に過ぎないのではないか。大人の世界はもっと厳しい。呪文を唱えていればどうにかなってしまう、甘ったるいファンタジーなんて何も解決はしてくれない。
この甘さは殆ど犯罪的であり、IZAMの監督としての限界である。
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