[コメント] JUNO ジュノ(2007/米)
現代的な少女像の切り取り方に、作者の観察力がうかがえるGOOD作品
きわめて現代的な映画として成功している作品である。ヒロインがあっさりと捉えている貞操観念。思春期特有の希望なき未来感。主人公にあるまじきむくれ顔。こうしたポイントは、現代の青少年像を、声高でなくさらりとリアルに描いて、腰の据わった印象を与え、ドラマに注視させる役割を十分に担った。新進のジェイソン・ライトマンの観察眼がうかがえる施しであった。その中で、この作品に深い感慨を与えているのはやはり、主演のエレン・ペイジの存在感であろう。現代っ子特有のニヒルに世の中を捉えている感覚を、その実、内に秘めたメルヘンな乙女心を想起させる、ジレンマを表象した深みのある演技であった。映画そのものも、そのラストが、等身大のハッピーを手に入れることでよしとする点において、現実的な教訓物語として大人の視座がある。平易な語り口で佳作を獲得しているドラマ性を評したい。
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