コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] マンデラの名もなき看守(2007/独=仏=ベルギー=南アフリカ=伊=英=ルクセンブルク)

凡作。前半で人間と人間の関係性を描けなかった故に後半が失速する。看守の人生さらには南アフリカの現代史へと展開する終盤はうまくいっておらず退屈の極み。
shiono

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







看守ジョセフ・ファインズの心象描写が及び腰だ。少年期に黒人と過ごした記憶と、現在の職業倫理との乖離が説明されることはない。夫の出世を望む妻、という形で保守主義的な政治信条を援護射撃しているが、夫婦の関係性を掘り下げてはいないので、ファインズがどのような感情を持っているかがわからない。

要はファインズの気持ちなのだ。検閲部のチーフとして、得た情報を公安の上司に報告するということが、どのような結果を生み出すのか、そのことに想像が至らないはずはないのに、デニス・ヘイズバート演じるマンデラの息子が暗殺されたことに動揺するというのはあまりにナイーブではないのか。

ヘイズバートに、圧倒的な人間的魅力を持たせる演出をしていないというのが根本的な欠点だし、そこまで腹を括った企画ではないというところがこの作品の限界というわけだ。マンデラという固有名詞に寄りかかっていて短絡的である。それでも特筆すべきシーンがあれば評価も上げられたのだが。

唯一面白かったのは、図書館で自由憲章を閲覧するシーン。黙読するが妻に来られて途中で止める。そのときヴォイスオーヴァーもぶつ切りになるのだ。なんだか変な演出で、極秘文書を見られたくないということだけではなく、きっと彼は恐妻家なんだろうな、と妙におかしくなってしまった。

(評価:★2)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。