[コメント] エド・ウッド(1994/米)
はっきり言えば、この映画の素晴らしい所は、“敗者”の美談を扱ってる所に尽きる。
はっきり言えば、世の中“勝者”の美談で溢れてる。みんなは“敗者”の言い訳なんて聞きたくはない。だからテレビ、本等では勝利者達の美談が溢れているのである、“勝者”からその秘訣なるものを聞き出す為に。
果たして“勝者”はすべてを話しているのだろうか?もしかしたら負の部分を話したがらないかもしれない。大体“勝者”なんて一握りだ。この映画ではもしかして「“敗者”にも学ぶべき所があるのではないか」という視点ではないのかと思う
エド・ウッドは生涯で評価を得ることがなかった。しかも史上最悪の監督として世の中で通っている。しかし彼の名前はその当時売れていた監督達以上に人々の心に残っているのである。
この映画ではメチャクチャながら、彼の映画に対する“愛情”が溢れている。彼は映画を愛していて、そして映画を撮りつづけた、しかし成功しなかったのである。“才能”がなかったといえばそれまでだが、彼はその巷で言う“才能”以上の映画への“愛情”が溢れていたではないか、ただその“愛情”が世間に認知されなかっただけではないか、それはそれでいいのではないか。彼は映画を愛していたという事で。
“好きだから撮った、でも売れなかった”でもいいんじゃないかなと思う。エド・ウッドは他人の為じゃなく、自分の為に映画を撮っていたんだから。そりゃ、見る人がいなけりゃ映画としての価値がないって言うのは分かるけど。なんかこの映画を観てると“それ以上の価値観が存在する”そんな気がした。
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