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[コメント] 風の外側(2007/日)

ともすれば今の映画が、過剰なまでの物語性を放棄し、雰囲気だけの物語もどきに逃げるのは、それが今だからこそ陳腐になりすぎるからではないのだろうか。そしてこの作品は、それが如実に語られすぎた作品だと断言して間違いはあるまい。
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







人種問題を語る下地の出来ていないところに、無理矢理ねじ込むようにそれを挿入し、その上になおかつご都合主義的なヤクザ問題まで持ち出す強引な荒技。それは残念ながら自分の胸にはさっぱり響いてこなかった。

そして上流階級の娘と底辺を這いずる男の分不相応な愛。この陳腐さは最早21世紀にはありえないものだろう。正直、丸ごと既視感だけででっち上げられたエピソードの羅列には閉口させられた。今時『泥だらけの純情』でもないだろう。

そして最後まで貫かれるテーマは、少女趣味な段階から全く止揚されていない「夢」…いい加減にしてくれ、本当に。

(評価:★2)

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