[コメント] 中共脱出(1955/米)
監督・カメラマン・主演二名の名前を見れば期待するなと云うのが無理な話だが、その期待が満足させられるほどの出来ではない。まず共産党軍が怖くない。プロパガンダ性の徹底を躊躇ったと見ることもできるが、この種の映画(活劇)においては敵役はもっともっと怖く描かなければならないはずだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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劇の構造は単線的なものであるにもかかわらず、その展開からは妙にちぐはぐな印象を受ける。脚本が悪いとはおそらくこういうことなのだろうが、その問題を克服しえなかったのは監督の責任ではないか。ジョン・ウェインとローレン・バコールについても、そのキャラクタ造型が成功しているとは云いがたい。それでもここまで見せてしまうのだからウェインとバコールはやはり偉大だとも思うが。
もちろんよい点も多い。とりわけ夜の暴風雨シーンの音響処理は圧巻だ。嵐の轟音と窓に遮られて無音と化すウェインの立ち回り。バコール(ボディ・ダブルか?)が砲撃をかいくぐりながら蒸気船に帰還するシーンのアクション演出も特筆に値する。しかしこの映画の最大の美点はロケーション画面の質感だろう。あまりにすばらしすぎて、却って作り物然としたセットに対する違和感が増してしまうほど。
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