[コメント] 慈悲心鳥(1954/日)
曖昧な態度を取る女の罪深さよ。これもある意味ファム・ファタール。角梨枝子は新・木暮実千代といった面立ち。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
題名には人の巣に卵を産んで育ててもらう慈悲心鳥の習性に「他人任せ」という意味をこめているようだが、映画との関連はいまいちピンとこない。
好きなのに奪えなかった河井、親の財力に寄りかかっている俊輔、流れに身を任せることしかできない静子の三人のことを「他人任せ」と皮肉っているのだろうか。
「親の財力に寄りかかっている俊輔」と書いてみたが、彼は彼なりに立派な好青年だった。病院で毒づくことしかできない河井の無念さは理解できるが、なんだか男らしくない。曖昧な態度を取る静子だが、実はあの時点で俊輔の方になびいていたのではないかと思えた。というか、そもそも静子が河井のことを本当に好きなのか描写不足なんだよね。
冒頭の映画で、二人の男性に愛された女性が生田の川に身を投げる『菟原処女の悲劇』が紹介されるが、もし静子が本当に二人とも愛していたのなら芦ノ湖に身を投げていたかもしれない。(←これって溝口ぽいなと我ながら感心してたら溝口も27年に映画化しているんだね。現存しないのが残念。)
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。