[コメント] リダクテッド 真実の価値(2007/米=カナダ)
イラクに派兵された米軍の無法さをストレートに描き、それだけに見るものにいちいち突き刺さるものがある。実際に起きた事件を題材に、あくまで題材にした上で自己の主張を衝撃的なやり方でたたきつけ、デ・パルマ監督の覚悟を感じさせる。
イラク戦争批判や、それに従軍した米兵の人間性の荒廃を描いたものとして、この間、『勇者たちの戦場』、『告発のとき』を見た。
「勇者たちの戦場」はショッキングな事件こそない群像劇の形で、ありふれた事件をドラマとして描いている。ただありふれているだけに、おそらく似たような事は現実には多数起きているのだろうなと思わせるものであった。
「告発のとき」は、従軍兵士が帰国後に実際に起こした事件を題材に、ドラマとして描いている。
そして本作は、イラクで実際に米兵が起こした事件を、フィクションとしてだが、あたかもドキュメンタリーであるかのような手法で描いた。
3作それぞれに特徴的だが、「勇者たちの戦場」、「告発のとき」と比して、ドラマ性を一切排した形で、ドキュメンタリー的な演出をあえてした本作は、それだけに監督であるデ・パルマの覚悟、決意を強く感じさせた一本だった。
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