[コメント] ブラインドネス(2008/カナダ=ブラジル=日)
かなり無茶な設定で、極限状況下で試練にさらされる人間性というのもそれなりに興味深いが、人間が視力を失うことによって社会全体が崩壊していく、という何とも言いようのない、底知れない恐怖の方がはるかに大きかった。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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そういう意味では、隔離施設内での惨状もひどいものだし、あんな目にはあいたくないと思っていても、いざ主人公たちが隔離施設を抜け出た後の状況の方がはるかに衝撃的な恐怖を感じさせた。
あのひどい隔離施設の惨状も、なんだかんだいっても社会が機能しているということの、それがどういうものであれ、社会が存在しているもとでの隔離施設だということが、恐ろしい。あくまで、比較すればだが。
隔離施設後の街の様子は、確かにああなるだろうと思わせるものでもある。それだけ視力が人間の活動の中で果たしている役割が大きいということでもあるのだが、それがなくなった時、人はどうなるのかという、何ともいえない怖さがあった。
見える、見えないに左右されない人としての絆とか、人間性とかが、おそらくこの映画の言いたい事なのだろうが、それよりもはるかに視力を失うことの怖さを感じさせた映画だった。
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