[コメント] ミラーズ(2008/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
どうもホラー映画って好きになれなくて、どうしても見ているうちに辛くなってきますね。しかも印象が残らない。怖いと思いながら印象が残らないのはなぜなんでしょう???
例えば『エクソシスト』の怖さは何だったんでしょう。確かに怖かったですね。あれは、神を冒涜する悪魔が少女に乗り移る話ですが、神を蔑む言葉の応酬がすごかったんでしょうね。しかもあどけない少女からひどい言葉が飛び出しますね。そういう怖さ。悪魔に乗り移られることの恐怖。何の罪もない少女に訪れる恐怖。そしてその少女を手助けしようとする母親と神父。そしてあの音楽。その全てが神話的な芸術として評価されたんでしょうね。素晴らしい作品でした。
シャマランの『シックスセンス』も同じですね。少年に見える幽霊のお話。少年には見えてほかの誰にも見えない。そして最後に母親に祖母の言っていた言葉を伝えます。見えない亡霊。それは現実の世界で伝えることのできなかったことを、少年を通じて何とか伝えようとする愛情ですね。そんな健気な美しさを感じさせる素晴らしい映画でしたね。
キューブリックの『シャイニング』も芸術です。迫りくる狂気。狂気に向かう人間の精神性が一気になだれ込むような凄さ。これも芸術です。
ホラー映画が印象に残るかどうかは、その筋書きの神話性だと思うんですね。だから古くても面白い。
ところがこの映画は、残念なことに、筋書きとしての整理がなされていないために、映画そのものの面白さに欠けてしまっているように思えるんですね。
技術力だけで恐怖を描こうとするのは、今の時代、それほど難しいことではない。どんな想像力も映像にすることが不可能でなくなった今、話の筋が整理されていないと、印象がに残りません。
この映画のことはきっといずれ忘れてしまうでしょう。そんな予感がいたします。
そしてなんといっても、この映画は”長い”。
筋が整理されていない上に、しつこいほどの恐怖場面と、音楽のありきたりな点がとてもしつこくて、この場面も想像力を掻き立てません。音楽を聴いていれば場面の先が読めてしまう。そんな陳腐さも漂いますね。
『エクソシスト』で奏でられる「チューブラベルズ」は極めてわずか。その小さな音と印象に残る恐怖が折り重なるんですが、この映画にはそうした上品さは全くありません。怒涛のように強引に押し付けるような恐怖では、見ている側は疲れます。
キーファー・サザーランドのキャラも『24』と同じ性格の主人公でした。役者が同じキャラを追いかけることになるのはとても辛いものがありますね。本人はもしかしたら新たなキャラに挑戦したいのかもしれませんが、テレビドラマと同じ演技を映画館で見せ付けられてもかわいそうな気がしますね。
大変残念ですが愚作です。
2009/09/21
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