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[コメント] 引き裂かれたカーテン(1966/米)

こんな目立つスパイがいるかい。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ヒッチコック監督の50本記念作品で、主演にポール=ニューマンとジュリー=アンドリュースを招き、合成シーンもふんだんに使って作られた豪華な作品。東ベルリンでの逃走劇、科学的意味づけを持った国際スパイの暗躍と、見所は多く、更に冷戦構造をしっかり見据えて作られているのは確か。1966年全米興行成績も8位と健闘している。

 50本目の記念という事で意気込みもあったか、豪華な内容に押されないように、自分を見失わないようにしっかり作り込まれているのは分かるのだが、出来そのものはこれまでのヒッチコック作品の総決算と言った感じで目新しいところが無く、しかも小道具の使い方にも今ひとつ見るべきところがないところが残念な作品となってしまった。

 これにはおそらくニューマン&アンドリュースという豪華スターがはまらなかったのが大きな原因ではないだろうか?不適なニューマンと元気いっぱいのアンドリュースでは、到底スパイ役なんて似合わないし、地味目のアクションを演じるには二人とも華がありすぎた。監督の力量があっても、既に二人とも役者としての評価は固定していたため、それを打ち破ることが出来なかったのが大きな失敗だろう。

 それ以外はそつなくまとめられた作品と言っても良いんだが、無名か、あるいはヒッチコックにいじられて良いキャラを出せば問題もなかったんだろうけど。

(評価:★3)

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