[コメント] 海の征服者(1942/米)
観賞用というより、アメリカの典型マッチョ映画のフロイト的分析に好適の作品だ。本作ではモーリーン・オハラの居室が2箇所登場するがいずれも女性性器の象徴である。最初の部屋には長大な蝋燭が侵入し2番目の船室ではサーベルが突き立てられてしまう。
サーベルや蝋燭が何を象徴しているかは言うまでもないだろう。さらに、そうした意味を持つ部屋の中にハンモックをつるして寝転がってゆらゆらとした浮遊状態を体験するタイロン・パワーこそ、見かけは立派な成人男子だが、胎児回帰願望をもつ精神的未熟児の象徴にも見える。一見大人だがひとりよがりで幼稚な子供、これがアメリカという国家像に重なってしまうと言ったら、一映画の感想からの逸脱のしすぎだろうか。
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