[コメント] スラムドッグ$ミリオネア(2008/英)
これはある種のダーク・ファンタジーなのかもしれない。過酷な現実と映画はどう向き合うか。本作は、それを物語に巧みに取り込み、飾り気のないロケに徹することで描き、一つのスタイルを完成させたと言ってもいいのではないか。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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急激な変貌を遂げつつあるインドの現実に臆することなく、それを「クイズ番組」という形をとって正面から描く。
この気概は、この映画をありきたりなハッピーエンドの娯楽作にとどめず、リアルな現実とそれがあるからこその希望の意味を、深みをもって描くことに成功したと思う。
余談だが、私はこの題材となった「クイズ$ミリオネア」の番組を一度も見たことがない。だからその基本ルールなどは知らなかったが、それでも三つのライフラインとかいう「お助け」アイテムや、より高額な賞金への挑戦のためにすでに獲得した賞金を手放すなどの骨格はすぐにわかった。
まあ、これは演出がうまいというのもあるのだろうが、元のクイズ番組そのものが非常にシンプルながらもよくできたものなんだろうなあ。だから目のつけどころがよかったのだろうし、極端に言えば、この映画の成功はほぼそこにかかっていたのかも知れないなあ。
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