[コメント] バーン・アフター・リーディング(2008/米=英=仏)
一過性映画のお手本のようなソツなくこなれたGOODイベントムービー
そのブラックな視点で姑息な人間たちを主人公とするエンターテイメント性ゆたかな上等のイベントムービーである。この映画を評価するとすれば、笑えるか笑えないかという点だけで十分だろう。ましてやピット、クルーニー、マルコヴィッチといったネームヴァリューを携えてヒップなムードを謳歌するポジショニングを達成しえたというだけで合格である。腑に沁みるメッセージもなく斬新なレトリックもない、こうした映画が面白いといえるところに娯楽の醍醐味がある。それは外しテク的な映画の内容とは関係のない外郭的な遊戯とたとえればいいのだろうか、製作、演出、演者が三位一体となって遊んでいる雰囲気がうらやましい先進的な映画である。今一歩、コーエン兄弟が駒を進めるとすればゴダールのようなメタ映画としての前衛表現を突き詰める可能性を持ちえるかどうかという点である。 その到達を見た時に映画史は大きく飛躍するだろう。
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