[コメント] DRAGONBALL EVOLUTION(2009/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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物語のスケールは大きいにもかかわらず、やっていることはティーン映画と変わらないからとてもアンバランス。ハイスクールに通う主人公たちの日常に危険が迫り寄って…、といいったタイプのホラー映画、例えば『スクリーム』などと同じ作りに思える。(思えばジェームズ・ウォン監督は『ザ・ワン』でも妙に端折ったストーリー展開をしていたような…。)
『スター・ウォーズ』のような名作娯楽映画はもっと広がりを感じさせる世界観があるから、冒険の中でドキドキするのだ。マンガ「ドラゴンボール」は歌にもあるとおり“摩訶不思議アドベンチャー”。設定を変えても、ワクワク感は残してほしかった。
やはり、87分に上映時間をまとめているところが敗北の一因だろう。悟空の葛藤をもっと時間かけて描いたり、ピッコロ大魔王の“悪”としてのインパクトを強調したり、バトルや冒険の道のりをもっとじっくり見せたり…。
悟空が大猿への進化という形で露呈する自分の中の“弱さ”にしても葛藤が少ないから伝わってこず、「なぜ大猿なのにせいぜい3メートルくらいなの?」という無駄なツッコミを生んでしまう。『スパイダーマン』シリーズなど、そういった葛藤がきっちり描かれるからこそ面白いわけで、それを見習ってほしかったものだ。
そして、一番盛り上がるはずの最終決戦VSピッコロ大魔王も、クライマックスのわりにはあっさりとかめはめ波で倒してしまう。『ドラゴンボールZ』放送時は気を溜めるだけでCMに入るような感じだったことを思うと、なんとテンポの良すぎることか!?
結局、ダイジェスト版みたいになってしまったのが残念だ…。ジャスティン・チャットウィン演じる悟空は似合っていた気がするし、チョウ・ユンファ演じる亀仙人もユニークで面白かったように、キャラクターは合格点にも思えたが、如何せん脚本がコレではどうすることもできないだろう。
原作とまったく同じに作るなら僕はアニメを観ればいいと思う。実写映画には実写映画らしいアプローチがあるので設定への矛盾の追及はあまりやりたくない。だが、原作を変更するならば、それを気にさせないオリジナリティを出してほしい! この作品のように中途半端な感じが一番マズイでしょう。ファンには文句を言われ、ファンでない人はよくわからなくてつまらないという…。ターゲットはどちらか、明確にするべきなのだ。
ただそれでも、いちドラゴンボールファンとして、この映画について一晩語れること。それだけは確かだ。だから、観たことへの後悔は一切ない。
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