[コメント] ウェディング・ベルを鳴らせ!(2007/セルビア=仏)
実写版『ウォレスとグルミット』のような起床装置や催眠渦巻きなど楽しすぎる発明品で映画は幕を開ける。ヒロインは「自転車」に乗って登場し、飛び交う銃弾もが祝祭を盛り上げる。そして笑顔の威力! ウロシュ・ミロヴァノヴィッチとマリヤ・ペトロニイェヴィッチの笑顔が喚起する幸福感がこの映画の魂だ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「重力」の映画、という云い方でもしてみようか。繰り返される落とし穴。滑車を利用して授業中のペトロニイェヴィッチに求婚するミロヴァノヴィッチ。ウェディング・ベルを備え付ける祖父も隣人の女教師と同様の光景を演じ、大砲で飛ばされて空を舞う鳥人の着地で映画はハッピー・エンディングを完了させる。重力に抗うことと従うことの演出が、映画の視覚的な面白さと幸福感に大きく貢献している(まあ「浮遊」「飛翔」「落下」「宙吊り」は他のクストリッツァ諸作にも共通するモティーフではありますが)。
さて、『ライフ・イズ・ミラクル』で決定的に明らかになったクストリッツァの臀部フェチはここでも表出していましたね(『ライフ・イズ・ミラクル』以前の作品はどうだったか、記憶が定かではありませんが)。体育の授業シーンで健康的かつ催淫的にペトロニイェヴィッチの臀部を強調したカット。クストリッツァ作品の主演女優を並べてみると、女性の顔に対する彼の好みがかなり一貫したものとして浮かび上がってきますが、同時に臀部重視の姿勢も垣間見られるかもしれません。
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